映画 牯嶺街少年殺人事件 ☆☆☆☆☆ 

■ A BRIGHTER SUMMER DAY 1991年
   台湾 236分 デジタル・リマスター版 
        (ミッドランドスクエア シネマ) 

■ 監督 エドワード・ヤン(楊徳昌)
■ 脚本 エドワード・ヤン
       ヤン・ホンカー
       ヤン・シュンチン
       ライ・ミンタン
■ 撮影 チャン・ホイゴン
■ 出演 チャン・チェン
       リサ・ヤン
       ワン・チーザン
       クー・ユールン

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3時間56分の長さで描いた少年譜の傑作!
そのみずみずしさ、生々しさは尋常ではない。


登場人物のすべてが映画のなかで生き、暮らし
ていることをまざまざと感じさせる畏るべきエド
ワード・ヤンのフィルム。


小四、小明、小猫王、飛機、小馬、小虎、ハニー
滑頭、山東、神経、父、母、兄、姉、妹、汪、教師
小明の母、近所の大人・・・・。
中心に描かれるのは
小四少年の感じる前途への憧れと失望。
そして、焦燥、苦悶や衝動。

監督ヤンはそれを繊細に鮮烈なショットで語ってゆく。


たとえば、繊細なショット。
小四と小明が廊下で立ち止まり会話を交わす姿
を木製の扉に写ったかげでとらえたショット。
ふたりのかげはあまりにも、あいまいではかなげ。
そこからは、揺らめくような青春の瞬間が伝わっ
てくる。一瞬の甘美で切ないとき。

鮮烈さで印象に残った圧巻のショットはこうだ。
どしゃぶりの夜、山東一味の店に乗り込み、サニー
の仲間たちが刀剣を使って報復しようとするシーン。

入った店内は停電で暗い。
襲撃仲間のひとりが小さくつぶやく。
「家へ・・・帰ってもいいかな」
(たぶん皆も心の底では怖いのだ)
それを無視して2階に上がる仲間たち。

ぼぅーと照る赤いろうそく。
浮かびあがる山東たちの顔。
気配を感じた山東が灯りをふっと吹き消す。
それを合図にわっと襲う者、襲われる者。

闇で何も見えず、滅多矢鱈に長刀を振りまわす。
その姿さえ、カメラは闇の中のままで映す。
響く怒号と悲鳴。
延々と続く暗闘のショット。



そのようなショットだけに限らない。
全編がみずみずしく、生々しく、繊細なショットで綴
られた
ヤン
の映画「A BRIGHTER SUMMER DAY」は
4時間の長さが当然のように必要だったのだ。

  
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