夏のコースター 2種


        
消しゴムはんこ コースター





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                                   WINE

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映画 まるでいつもの夜みたいに ☆☆

■ 2017年 74分 (名古屋シネマテーク)
■ 監督・撮影・編集 代島治彦
■ 出演 高田渡 中川イサト 中川五郎

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フォーク・シンガー高田渡のドキュメンタリー映画である。

内容は、2005年3月27日に東京で行われた最後の
ミニハウスでの公演と、彼の死を惜しむ友人のインタ
ビューから構成されている。

高田渡は、同年4月3日北海道でのライブ後に倒れ、
16日入院先の病院で死去した。56歳没。

12年後の今年にこの映画が製作された理由を私は
知らないが、映画の撮り方も、録音も、編集も、全体と
してはこれと言って目を引くような出来とは思えない。
ただひたすら高田渡の唄う姿をフィルムに残したいと
いう思いの強さは感じなくもなかった。


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私はなぜこの映画を観たいと思ったのだろう。
彼のしみるような唄声を今もウオークマンでとき
どき聴く私は、懐かしさゆえか、最期のライブを
聴きたいとの思いゆえか。
酒好きの彼の唄をスクリーンで聴くには、こちら
も酒を飲むのが礼儀というものだ。そう思って缶
ビールをひとつあおって映画館へ行った。


さて、高田渡の唄を直接聴いたのは、2000年
12月6日の名古屋・栄・アートピアホールでの
「五つの赤い風船コンサート」でゲストとして登
場し、「夕暮れ」ほか2~3曲を唄った時である。
高田はやや酩酊気味だったが、調子をくずさず
最後まで唄い、会場の人たちも皆ほっとした顔
を見せたのをよく憶えている。

ところで、彼の仲間だった加川良もつい最近の
4月5日に病没した。
良の声質が好きだった私は2006年5月4日
名古屋・今池のライブハウスTokuzuで「教訓
Ⅰ」の熱唱を聴いたことがある。それとても 
過去の1ページとなってしまった。


閑話休題、この映画のことである。
ごく普通のドキュメンタリー映画であることに
がっかりしたかと言うとそうでもない。
高田渡の「風」を唄う姿と声が胸に迫り、ここ
ろのふるえるのを感じたのだ。
観に行ってよかったと思った。


   頭の上を吹く風よ

 
仲間がいま 何をしているのか きかせてくれ
 彼はいま 何を見ているのか
 もうひとりの彼は 何を考えているのか
 遠くの彼は だれと心を通じているのか

 あのひとの目は 何を言おうとしていたのか
 そんな気持ちが唄に 歌えたらな
 そしたら ぼくはぼくに なれるのにな

     「風」より  作曲・イギリス民謡
             作詞・朝倉勇
                         唄・高田渡

高田渡も、加川良も、その唄声は私のなかに
消えることなく残っている。


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映画 台北ストーリー ☆☆☆☆

■ 原題 「青梅竹馬」(幼馴染) Taipei Story
  1985年 台湾 119分 (シネマスコーレ)
■ 監督 エドワード・ヤン(楊徳昌)
■ 製作 ホウ・シャオシェン(侯孝賢)
■ 脚本 チュー・ティエンウェン(朱天文)
       ホウ・シャオシェン
       エドワード・ヤン
■ 撮影 ヤン・ウェイハン(楊渭漢)
■ 音楽 ヨーヨー・マ(友友馬)
■ 出演 ツァイ・チン(蔡琴)
       ホウ・シャオシェン

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エドワード・ヤン監督の長編第2作目作品。

ホウ・シャオシェン監修による4Kデジタル修復版で
2017年5月から待望の日本初公開。
名古屋では、シネマスコーレ劇場での上映である。

少年野球時代の夢想をなおも引きずる布地商の阿隆。
勤める会社が買収され解雇となったキャリアの阿貞。

急速に近代化・都市化が進む台北。
商機に乗れない人々の心理と行動。

変わりゆく街の風景。
すれ違う感情。

監督ヤンの描く人々の姿と風景に
なぜかくも心を揺さぶられるのだろうか。

私たちは
たとえ変わることを選んだとしても
逆に、変わらないことを望んだとしても
現実は、思惑どおりにならない。
そう思い知らされる。

それゆえ戸惑い
打ちひしがれて
現実を受け入れる。

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その姿を共感をもってみずみずしく映し出し
人を追いやる風景の変貌をあざやかに示す
エドワード・ヤンのフィルム。
それは常に、静かで、しかし激しい。



 
  

DVD M ☆☆☆☆

■ 1931年 ドイツ 99分 (Amazon購入)
■ 監督 フリッツ・ラング
■ 原作 エゴン・ヤコブソン
■ 脚本 テア・フォン・ハルボウ
       フリッツ・ラング
■ 撮影 フリッツ・アルノ・ヴァグナー
■ 出演 ペーター・ローレ

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86年前の映画である。
しかし、今の世の中を描いている。
今の人たちの内のある感情を暴いている。


繰り返される幼女誘拐殺人。
捜査に乗り出す警察と、或る「組織」。

殺人者自身も止められない殺害欲求。
被害家族や世間の人々から噴き出す報復感情。

フリッツ・ラングは
シニカルな笑いと
独特の映像感覚
人間の内にある多様な残酷感情を
あざやかに描き切る。

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