映画 フレンチアルプスで起きたこと ☆☆

■ FORCE MAJEURE(原題「不可抗力」) 2014年 118分
   スウェーデン/デンマーク/フランス/ノルウェー (名演小劇場)
■ 監督・脚本 リューベン・オストルンド
■ 撮影 フレドリック・ウェンツェル
■ 出演 ヨハネス・バー・クンケ リーサ・ローヴェン・コングスリ

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やってしまったことは仕方がない。
トマスは、冬のバカンス地でたぶんそう思おうとした。

出来るならやり直したい。
時間を巻き戻して、望ましい行動をとりたいとも思った。

それを許さないやっかな他者である家族の冷めた目付き。
とりわけ妻からの非難、弾劾、詰問の波状攻撃。
俺はどうすればよいのだ!

トマスの不安を反映したようなシュール感の漂う撮影が
鋭く効果的で、この作品の世界を作り上げている。

  

映画 ビリギャル ☆☆☆

■ 2015年 117分 (ピカデリー)
■ 監督 土井裕泰
■ 脚本 橋本裕志
■ 原作 坪田信貴
   『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて
   慶應大学に現役合格した話』
■ 撮影 花村也寸志    

■ 出演 有村架純  伊藤淳史 野村周平
       吉田羊 田中哲司

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人が自身の可能性を伸ばす面白さと辛さを
心地よいテンポで展開する映画だ。
しかし、単なる根性物語ではない。

主人公さやかと講師の坪田のやりとりを芯として、
子と親とのギャップ
兄弟間の不公平感とその不満
指導者と教えられる者の立場の相違
結果を出す者と出せない者などなど
興味あるテーマが含まれ興味が尽きない映画なのだ。

私がこんな指導者に出会えていたならば・・・
そんな空想も楽しめる作品でもある。

DVD 昔々、アナトリアで ☆☆☆☆

■ BIR ZAMANLAR ANADOLU'DA
    2011年 トルコ/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ 157分
■ 監督 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
■ 脚本 アルジャン・ケサル エブル・ジェイラン  
       ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
■ 撮影 ゲクハン・ティリヤキ


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凄さを感じさせる、静かで、濃密な映画。
ジェイラン監督が人間を鋭く描いた必見の傑作!
ティリヤキの撮影も素晴らしい。

TUTAYAのレンタルDVDで観たのだが、ぜひ映画館でみたい。 

映画 ジュラシック・ワールド ☆☆☆

■ JURASSIC WORLD 2015年 アメリカ 125分
              (ミッドランドシネマ名古屋空港)
■ 監督 コリン・トレヴォロウ
■ 製作総指揮 スティーヴン・アラン・スピルバーグ
■ 
脚本 コリン・トレヴォロウ コリン・トレヴォロウ
        アマンダ・シルヴァー デレク・コノリー
■ 撮影 ジョン・シュワルツマン
■ 音楽 マイケル・ジアッキノ
■ 出演 クリス・プラット

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出るぞ…出るぞ…と恐い物見たさで足を踏み入れる
今どきの「お化け屋敷」の見世物をのぞくような映画。

人間が新恐竜を誕生させ見世物として飼育する愚かさ。
それは、アミューズメント・パークを血塗れの舞台に変え
ずにはおかない。

不気味な奇声。近づく足音。突然襲いかかる異形の生き物。
新生インドミナス・レックスが暴れ回るCG映像が、大スクリ
ーンを通して観客に襲い掛かる。
これぞハリウッド映画の醍醐味というものだろう。

話の大筋は定石通りのように見えるが、どっこい所々ひねり
が効かせてあり、一筋縄ではない面白さのある映画だった。
ラストカットもなかなかいい。人間よ。奢るな!

 

映画 サイの季節 ☆☆

■ 2012年 イラク/トルコ 93分 (名演小劇場)
■ 監督・脚本・製作 バフマン・ゴバディ
■ 撮影 トゥラジ・アスラニー
■ 出演 ベヘルーズ・ヴォスギー モニカ・ベルッチ

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イラン革命を境に離別を強制される夫妻。
妻に激しく横恋慕する男。
そして、30年の時間の経過。

現実と幻想とが交錯した映像で綴る愛憎のドラマ。
想像し難い三者の恨みと希望-それが登場人物の
目の表情に表れている映画。
色彩を極端に脱色したような画面は、彼らの内面を
痛切に反映しているにちがいない。


映画 雪の轍 ☆☆☆ 

■ KIS UYKUSU(原題「冬眠」)
   2014年 トルコ/フランス/ドイツ 196分 (ミリオン座)

■ 監督 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン  
■ 脚本 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン エブル・ジェイラン 
■ 撮影 ゲクハン・ティリヤキ
■ 出演 ハルク・ビルギナー

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登場人物たちの誰かの、どこかに、わたしたちは似ている。
そのことを、果てしなく続く会話を聞きながら思い知らされる。

冬のカッパドキアでのドラマをみた観客は、鉛に似た重さを
身体の中に押し込まれた思いに、黙り込んで映画館を出る
に違いない。

監督ヌリ・ビルゲ・ジェイランの人間観察は、深く、鋭い。


 

映画 人生スイッチ ☆☆☆

■ RELATOS SALVAJES(原題「野生の物語」) 2014年 
   アルゼンチン・スペイン 122分 (ミリオン座)  
■ 監督・脚本 ダミアン・ジフロン  
■ 撮影 ハビエル・フリア 
■ 音楽 グスターボ・サンタオラヤ

 
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すべては因果応報だ、と簡単には言い切れない
ような、黒い笑いに満ちたアルゼンチン映画。

感情が攻撃本能を呼び覚ますのか。
本能が野生的な感情を刺激するのか。
映画は、その問いに満ちている。


たぶん誰もの内にある「RELATOS SALVAJES」的なものは、
あるときは、取り返しのつかない不幸な結果を
あるときは、意外なほど幸せな一時を
みちびくことになるのだろう。

さて、あなたはどのエピソードがお気に入り?
わたしは2番目がいい。

それにしても、アルゼンチン映画は面白い。