映画 フェデリコという不思議な存在 ☆☆☆

■ Che strano chiamarsi Federico 2013年 イタリア 93分
                            (名演小劇場)
■ 監督 エットレ・スコーラ

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フェデリコ・フェリーニ没後20年、彼と親交のあったスコーラが
企画、製作した、ヴェネチア国際映画祭特別招待作品だ。

若いときのフェリーニが登場するなど実に微笑ましい。
フェリーニは本当に映画人から愛された人だったことが
よく分かる。

わたしの大好きなフェリーニ映画。
彼にしか創れない映画がフェリーニの映画だった。

フェリーニに影響を受けた人には堪らないほどに、
ぐっとくるオマージュ映画だ。

これからも、きっとしばしばフェリーニ映画を観ることだろう。
わたしの大きな人生の楽しみ!







映画 約束の地 ☆☆☆☆

■ JAUJA 2014年 110分 
  アルゼンチン/デンマーク/フランス/メキシコ/アメリカ/ドイツ/ブラジル/オランダ
                       (センチュリーシネマ)
■ 監督 リサンドロ・アロンソ
■ 撮影 ティモ・サルミネン
■ 音楽 ヴィゴ・モーテンセン
■ 出演 ヴィゴ・モーテンセン

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この映画の衝撃力を何と言えばよいだろう!

ピエル・パオロ・パゾリーニかヴェルナー・ヘルツォ
ークの映画のような怖さと荒々しさに近い力をもっ
たフィルムとでも言えばいえばよいか。

アルゼンチンにこんな映画を創るシネアストがいる
のか、とただただ驚くのみ!

必見の1本!

  

映画 ターミネーター 新起動/ジェニシス ☆☆

■ TERMINATOR: GENISYS 2015年 アメリカ 125分
                  (ミッドランドシネマ名古屋空港)
■ 監督 アラン・テイラー
■ 脚本 レータ・カログリディス パトリック・ルシエ
■ 撮影 クレイマー・モーゲンソー
■ 出演 アーノルド・シュワルツェネッガー 
       ジェイソン・クラーク  エミリア・クラーク

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1984年の第1作から30余年の五作目。
旧型ターミネーターT-800-シュワルツェネッガーの
再々登場である。

映画に新味が加えられている。
設定では、少年ジョンは面影がすっかり変わった青年に、
母親サラは若き独身の女戦士に戻っている。
ワープする時間軸は複雑化されて、観る者はちょっと困
惑するほどだ。
それでも次々に新しい派手な追撃シーンが連続するので
観客を飽きさせない。

しかし、あれ程の復元力と破壊力を持つ新型ターミネーター
でも、旧型のシュワルツェネッガーには敵わないという結末
は、映画を観る前から約束されていることなのだ。

ああ、やっぱり、(ひょっとして第6作もあるかも…)という終わり方。
シュワルツェネッガーがしばしば見せる、T-800のギコチナイ作り
笑いだけが心地よい救いの映画だった。



映画 愛を積むひと ☆☆☆

■ 2015年 125分 (ミッドランドシネマ名古屋空港)
■ 監督 朝原雄三
■ 
原作 エドワード・ムーニー・Jr.「石を積む人」
■ 脚本 朝原雄三 福田卓郎
■ 出演 佐藤浩市 樋口可南子 柄本明

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舞台を北海道に設定した脚本が効果を上げている。
家を囲う石塀を積むには、やはり大自然の広野が似合う。
そして、原作の小説よりも「書き置き」の使い方は映画の
方が上手いと感じた。

ホームドラマなので、ちょっと面映ゆいような場面はあるが、
柄本明の好演が物語に落ち着きを与えている。
また、北海道の美瑛の美しさが素晴らしい。

ただ邦題は余りにも露骨に過ぎるのではなかろうか。
原作に習って「石を積むひと」のほうが断然よいと思う。







映画 アリスのままで ☆☆☆

■ STILL ALICE 2014年 アメリカ 101分 
              (TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ)
■ 監督 リチャード・グラツァー  ワッシュ・ウェストモアランド
■ 原作 リサ・ジェノヴァ
■ 脚本 リチャード・グラツァー  ワッシュ・ウェストモアランド
■ 出演 ジュリアン・ムーア

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今までの自分とは違ってしまう…。
何がどこに有るかを忘れてしまう。
自分がどこに居るのか分からない。
そして、記憶も消えていく。
まだ自分は壮年期だというのに…。

自分が大切にしてきたものを失っていく不安、そして悲しみ。

人としての存在理由は何か。
その命題を映画は私たちに問いかけている。

 

映画 チャイルド44 森に消えた子供たち ☆☆

■ CHILD 44 2014年 アメリカ 137分 
                               (TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ)
■ 監督 ダニエル・エスピノーサ
■ 脚本 リチャード・プライス
■ 原作 トム・ロブ・スミス『チャイルド44』
■ 出演 トム・ハーディ ノオミ・ラパス ゲイリー・オールドマン 

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評判になった小説だから、原作を読んだ観客も多いのではないか。
わたしもその一人。
そうした人の期待(あるいは関心事)は、下のようなものだろう。

小説を読んだときの引き込まれるような緊張感を映画でも味わいたい。
しかし、スターリン独裁政権下の抑圧の恐怖と、連続猟奇殺人事件の
解明とを、2時間余の映画で描ききれるだろうか。

残念ながら、後半の事件解明が端折りすぎではなかったか。
だから、事件の背後にある悲惨の影が描き切れていない。
トム・ハーディやノオミ・ラパスも好演していたので、3時間をこえてで
もじっくりと描いてほしかった。

映画 愛して飲んで歌って ☆☆☆

■ AIMER, BOIRE ET CHANTER 2014 フランス 108分
                      (キノシタホール)
■ 監督 アラン・レネ
■ 原作戯曲 アラン・エイクボーン
■ 脚本 アラン・レネ ロラン・エルビエ

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3人の女の心に小波を立てる、死期間近なジョルジュ。
3人の女に翻弄される夫たち。

アラン・レネの遺作は、舞台劇を原作とした斬新な映像の
可笑しくて、残酷で、女たちが勝利する愛の物語だった。

田舎道をなめらかに移動する撮影の多用。
あれは一体誰の視点なのか?

アラン・レネはついに最期まで、刺激的な映画作家だった。