映画 ロンドン・リバー ☆☆☆★

■ London  River 2009年 イギリス/フランス/アルジェリア 88分
                      (シネマスコーレ)
■ 監督 ラシッド・ブシャール
■ 脚本 ラシッド・ブシャール ゾエ・ガレロン オリヴィエ・ローレル
■ 
出演 ブレンダ・ブレシン ソティギ・クヤテ

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2005年7月のロンドン市内で起きた爆破テロ事件を扱った映画だ。

キリスト教とイスラム教、異なる宗教的背景をもつ者同士に生じる疑
心と理解を巧みに絡ませた脚本が素晴らしい。

イギリス人で娘の消息を必死に尋ね回る母親。
フランス在住で息子の行方を探す黒人の父親。

二人の親に、果たして希望はあるのか。
宗教は、真の救いになるのか。


映画 ヴィクとフロ 熊に会う ☆☆☆☆

■ VIC + FLO ONT VU UN OURS 2013年 カナダ 95分
                          (シネマスコーレ)
■ 監督・脚本 ドゥニ・コート 

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この映画の面白さ、あるいは凄さは登場人物たちの実在感だ。

低予算の日本映画の秀作に似た印象があるが、この監督の
作品がそれらと決定的に異なる点は、人物が初めて画面に
登場するショットの見せ方、状況の無説明、いわゆる美しいカ
ットの排除などの独特な手法である。

たとえば人物の登場場面。
顔のクローズアップ。すぐには口を開かず、何かを見据えた
ままの表情をやや長めに映し続けるのだ。
劇映画に馴れてしまった目には奇異にうつるのだが、現実に
は私たちはそのような表情をしているのではないか。ほんとう
の姿の一面なのではないか…。

ドゥニ・コート監督は、特異な人間、あるいはありふれた人間
を活写できる異才の人であるような気がした。


レイクルイーズ

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映画 グレート・ビューティー/追憶のローマ ☆☆☆☆ 

■ LA GRANDE BELLEZZA 2013年 イタリア/フランス 141分
                          (名演小劇場)
■ 監督 パオロ・ソレンティーノ
■ 脚本 パオロ・ソレンティーノ ウンベルト・コンタレッロ
■ 撮影 ウンベルト・コンタレッロ
■ 音楽 レーレ・マルキテッリ

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偉大な美しさとは
ローマの街そのもの?
それとも そこを生きた人間ども?

40代の若さで老成したような演出をみせる監督
斬新なショットを織り交ぜながら、「甘い生活」での
フェリーニばりの退廃感を描いているようだ。

人生は儚い。
一夜の夢のようでもあり
うつつにみた幻影のようでもある、と。

フェデリコ・フェリーニが逝って20年。
イタリアにパオロ・ソレンティーノのようなシネアストが
今だいるとは驚きである。


映画 ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪 ☆☆☆☆★ 

■ 狄仁傑之神都龍王 2013年 中国/香港 133分
                       (ピカデリー)
■ 監督 ツイ・ハーク(徐克)
■ アクション監督 ユエン・ブン  
■ 
脚本 ツイ・ハーク チャン・チアルー
■ 撮影 チョイ・スンファイ
■ 
音楽 川井憲次
■ 
主演 マーク・チャオ 
  

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2時間強の長尺アクション作品なので、(途中で
ダレないだろうか…と)心配しながら映画館に。
ところが、見事に予想を覆す文句なしの面白さ!
ツイ・ハーク映画は健在だった。

「蜀山奇傅・天空の剣」(1984年)以来の傑作である。

繰り出されるワイヤーアクションの連続。
スピーディな展開をみせる破天荒なストーリー。
まさに子供のころのわくわく感がよみがえる映画。
活劇フアン、香港アクション好きにはたまらない幸福な時間。






 

映画 ソウォン/願い ☆☆☆☆ 

■ 2013年 韓国 123分 (センチュリーシネマ)
■ 監督 イ・ジュンイク
■ 脚本 チョ・ジュンフン  キム・ジュンフン
■ 出演 ソル・ギョング  オム・ジウォン  イ・レ
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被害者家族の怒りと懊悩をストレートに描いた脚本がいい。
被害者の感情は確かにあの通りなのだろう。
そして、得心のいかない判決もまた現実なのだろう。
そのなかで、いかに少しでも希望を見出そうとするのか。

父親役のソル・ギョング 母親のオム・ジウォン 子役のイ・レ

脚本が、出演者たちの好演が、この映画を支えている。


  

映画  ホドロフスキーのDUNE ☆☆

■ JODOROWSKY'S DUNE 2013年 アメリカ 90分
                  (名古屋シネマテーク)
■ 監督 フランク・パヴィッチ
■ 出演 アレハンドロ・ホドロフスキー
   ミシェル・セイドゥー ほか
 

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本作は、ちょっと乱暴な言い方をすれば、未完の映画
「DUNE」が他の映画に如何に大きな影響を与えたか
を綴ったドキュメンタリーに過ぎない。

「エル・トポ」から40余年、「リアリティのダンス」がいよ
いよ公開される。
そちらの方が気にかかる。




映画 ハロー!純一 ☆☆☆☆

■ 2013年 90分 (キノシタホール)
■ 監督・脚本 石井克人 吉岡篤史  川口花乃子

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魅力に富んだ、そして笑えるキッズ・ムービーだ。

冒頭、下校途中の池のほとりで見せる子供たちのやり
とりは、並のドラマでは見られない子供そのものだ。
ああーでもない。こーでもない、と延々続くのだ。

場面を変える転換の上手さは、脚本?それとも演出
の上手さ?

石井克人映画の常連、郷ひろみ似の我修院達也(旧
芸名若人あきら)や担任の先生役の森下能幸の演技
は軽妙?それともやり過ぎ?

何でもないような小さなシーンもいい。
砂場の砂が減ることに気付いてくれた子供に狂喜す
る公園管理員のおじさん。しかし、子供たちはそんな
大人の感激には無頓着に走り去っていく。
ああ、子供はそうなんだよね。
なんとリアルで、魅力的なシーンであることか。

嬉しくなるような子供の世界のエピソードが詰まった
キッズ・ムービー。
 

映画 みつばちの大地 ☆☆☆☆☆

■ MORE THAN HONEY 2012年 
   ドイツ/オーストリア/スイス 91分 (名演小劇場)
■ 監督 マークス・イムホーフ
■ 撮影 ヨーク・イェシェル アッティラ・ボア

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すぐれた視点と目を見張るような驚嘆の映像を有するドキュメンタリー。
観る者に新たな視座を与え得るほどの傑作!

私はミツバチのことをほとんど知らない。
そもそもミツバチに特段の関心を寄せることなどはない。
せいぜい「みつを集めるはち」という程度の認識しかなかったのだ。
映画「みつばちの大地」を観るまでは…。

みつばちの生態をつぶさに映像化するだけの映画ではなく、
養蜂者たちの生活やジレンマを綴るのみの映画でもなく、
自然界の不思議や素晴らしさを声高に主張するような軽薄な
映画では無論ない。

圧倒的な映像をもって MORE THAN HONEY であることを
感じさせる映画、としか云いようがない。
映画館でじっさいにみてほしい、と云うしかない。






映画 るろうに剣心 京都大火編 ☆☆☆★

■ 2014年 139分 (ミッドランドシネマ名古屋空港) 
■ 監督 大友啓史
■ アクション監督 谷垣建治
■ 
撮影 石坂拓郎
■ 音楽 佐藤直紀
 主演 佐藤健

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前作以上にアクションシーンが素晴らしい出来だ。
谷垣アクション満載シーンの連続は驚嘆に値する。

志々雄の禍々しくも摩訶不思議な世界に立ち向かう
人斬り抜刀斎の剣戟の冴え。
スクリーン狭しと跳躍する肉体。
外連味たっぷりの作劇、そのカタルシス。
20代の俳優たち(たぶんスタントマンたちも若い)の
切れのある動き、身体能力の高さ…惚々するほど美しい。

しかし、アクションも過多に傾くならば、効果は薄れる。
2時間余のどこで、如何に見せるか。
否、如何に見せずして、ここぞの場面で炸裂させるか。

9月公開の「伝説の最期編」への期待は大きい。