映画 友だちと歩こう ☆☆☆☆

■ 2013年 マジックアワー 89分 (名演小劇場)
■ 監督 緒方明
■ 脚本 青木研次
■ 
出演 上田耕一 高橋長英 斉藤陽一郎 松尾諭 水澤紳吾

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情けなくて可笑しいことを、よくぞ映画にしてくれた。
日本映画ここにあり!
             *
垂直院型枠居士、上田耕一。
水平院万畳居士、高橋長英。
二人の代表作になること間違いなし。


   

映画 ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 ☆☆☆☆★

■ NEBRASKA 2013年 アメリカ 115分 (ミリオン座) 
■ 監督 アレクサンダー・ペイン
■ 脚本 ボブ・ネルソン
■ 撮影 フェドン・パパマイケル
■ 出演 ブルース・ダーン ウィル・フォーテ
       ジューン・スキッブ

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なんと美しいアメリカの田舎の風景!
ジューン・スキッブ演じるのアメリカのおばちゃんが素敵!
一癖も二癖もある人物たちの描き方が粋!
             *
ただし、日本の配給映画会社が付けた副邦題のみは、
とんちんかんで、浅薄で、矮小である。
そんな上すべりな惹句で喧伝するような映画ではない。
映画の題名は「ネブラスカ」だけで十分なのだ。
             *
広大なアメリカの土地を生かしたロードムービーの傑作!
見逃す手はない。


映画 なにもこわいことはない ☆☆☆☆

■ 2013年 MEgANE 110分 (名古屋シネマテーク)
■ 監督・製作 斎藤久志
■ 脚本 加瀬仁美
■ 撮影 石井勲

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妻、恵理。
夫、史也。
その日常の生活を綴る映画。 
          *
ワンカットの長さになれるまでに観客には時間が要る。
          *
誰にでもある日常でありながら、
誰のものでもない恵理と史也の日常であることが
しだいに分かり始めてくる。
しかし、それはやはり誰にでもある日常であるのだ、
ということが、つまりはしみるように感得されてくる。
          * 
映画館という空間の中で読む私小説のような映画である。



 


映画 銀の匙 ☆☆☆★

■ Silver Spoon 2013年 東宝 111分 (ミッドランドスクエアシネマ)
■ 監督 吉田恵輔
■ 原作 荒川弘
■ 
脚本 吉田恵輔 高田亮

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見ていていささか面はゆい思いを感じないではない。
挫折あり、迷いあり、団結ありの青春ストーリー映画。
演じる若手俳優たちの、まだまだ途上の演技力。
            *
しかし、浮ついた印象がないのはなぜだろう。
むしろ魅力を感じさせる映画であるのはなぜだろう。
            *
愛らしくとも、食肉となる豚や馬やニワトリ。
働いても、離農に追い込まれる酪農の人たち。
苦労の割には、意外なほど安い出荷ねだん。
            *
その現実から目をそらさないまなざしが、この映画には、ある。
登場する若者たちの目は、ときにはズッコケるような行動をとり
ながらも、否応なく直面する現実を真っ直ぐ見るのだ。
            * 
そのカッコよさ。たくましさ。すがすがしさ。
それは原作に依るところが大きいのかも知れないが
生身の映像で描いた吉田監督の力も少なくない。
            * 
次作はぜひオリジナルの脚本で…期待したい。



    
 

映画 小さいおうち ☆☆☆

■ 2013年 松竹 136分 (ミッドランドスクエアシネマ)
■ 監督 山田洋次
■ 原作 中島京子
■ 
脚本 山田洋次 平松恵美子

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山田洋次の近ごろの映画は、風格が増して、
うまいなあとか、さすがとかと思わせもするが
わたしは、正直、揺さぶられなかった。
           *
最後のエピソードである平井夫妻の息子の
シークエンスなどはあきらかに不要だろう。
いたずらに長いだけだ。
           *
弾けるような山田洋次の映画を観たいと願うのは
もう無理なのだろうか。

     

映画 新しき世界 ☆☆☆☆★

■ NEW WORLD 2012年 韓国 134分 (ピカデリー) 
■ 脚本・監督 パク・フンジョン
■ 撮影 チョン・ジョンフン
■ 音楽 チョ・ヨンウク
■ 主演 イ・ジョンジェ

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いやはや、面白い映画だった!
           *
潜入捜査官映画の中でも出色の脚本。
しかし、未見の人もいるので、あまり詳しくは書けない。
           *
少しだけ書くとすれば
犯罪映画で134分は長めなのだが、飽きさせない展開。
蛇足かと思わせるラストシークエンスは意外にも効果的で
にやりとさせるエンド、泣かせるラストシーンになっている。
ハリウッドでリメイクが決定したとのことだが、韓国映画の
ままのほうが、話の雰囲気に似つかわしいだろう。
それにしても、フンジョン監督の脚本、畏るべし。
           *
こうした嬉しくなるような映画と、思いがけなく出くわすことがある。
だから、映画館へ足を運ぶことは、止められないのだ…。
 

映画 マッド ☆☆☆☆

■ MUD 2012年 アメリカ 130分 (名演小劇場)
■ 督・脚本 ジェフ・ニコルズ
■ 
撮影 アダム・ストーン
■ 出演 マシュー・マコノヒー
       タイ・シェリダン  ジェイコブ・ロフランド

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少年は、人生の入り口でどのような味を知るのだろう。
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うっとりするような甘味なのか
あるいは、顔をしかめるような酸味か
それとも、深く沈む思い出のように、ほのかな苦味なのだろうか。
             *
樹上の座礁船という着想の素晴らしさ!
映画に静かで深い役割を最後まで与えている。
脚本と撮影のみずみずしさ。
エリス、ネックボーンを演じるふたりの少年の面構え!
マコノヒーたち俳優たちも適役!