DVD 恋する惑星 ☆☆☆☆★

 重慶森林 CHUNGKING EXPRESS 1994年 香港 101分
 監督・脚本 ウォン・カーウァイ 王家衛
 撮影 クリストファー・ドイル 杜司風
 出演 トニー・レオン  フェイ・ウォン 金城武 ヴァレリー・チョウ

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重慶市での恋する映画

流麗な映像
しびれる音楽
センスあふれる演出
魅力的な主人公たち

恋愛映画の傑作!

映画 日本の悲劇 ☆☆☆☆

 2012年 101分  (シネマスコーレ)
 監督・脚本 小林政広
 出演 仲代達矢 北村一輝

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観る者を打ちのめすほどの重さをもった映画。

全編の99%がモノクロールの画面で語られる日本の悲劇。
カメラは動かず、物語は長い長いフェードアウトで綴られる。

音楽は一切なく、フレームの外からの音響は現実音のみ。
洗濯物のしわをのばすパンパンという音や、
小石を踏むジャリジャリという音や、
電話のルルルル…。
震災の低いゴゥゴゥ…。

その現実音が、現実感を深め、
日本の悲劇を、私たち日本の家族の物語をつづる。

私たちは、その現実の中に置かれている…という重さ。


映画 標的の村 ☆☆☆☆

■ 2013年 ドキュメンタリー 91分 (名古屋シネマテーク)
■ 監督 三上智恵 

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2月に観光で沖縄北部の安田(あだ)に行った。
その時、米軍基地が広大で、沖縄本島の至る所に
存在していることに驚いた記憶がある。

沖縄基地問題。
映画「標的の村」からは
高江の住民たちの歯ぎしりが聞こえて来る。
オスプレイの爆音が響いて来る。
安眠できない日々の痛苦が伝わって来る。
         

DVD ヒミズ ☆☆★

■ 2011年 129分
■ 監督・脚色 園子温 
■ 原作 古谷実
■ 染谷将太 二階堂ふみ

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住田や、茶沢の家庭環境が余りにも凄まじ過ぎるので、
彼らの気持ちや行動に感情移入するのが難しかった。
それが作品を観た正直な感想だ。

他者への強い不満や殺意を持つ人が多く登場する。
いずれも、理由や目的などが本人にも明確になってお
らず、誰かに、だれでもよい誰かに、ひたすら暴力感情
を高めていく。

そんな中で、金貸しヤクザの、でんでんが演じる金本が
変に真っ当な説教をするのが、何とも可笑しく、そして、
やり切れない。

そうなのだ。映画「ヒミズ」は、やり切れないことがいっぱ
いの映画なのだ。
園子温の映画が凄いのは、住田も、父親も、震災も、す
べてのやり切れないことを、目を逸らさず、きちんと描き
出している点だろう。まだまだ今後の作品を観てみたい、
そんな期待を持たせる。


映画 タイピスト ☆☆☆☆★

■ POPULAIRE 2012年 フランス 111分 (センチュリーシネマ)
■ 監督・共同脚本 レジス・ロワンサル
■ 出演 ロマン・デュリス  デボラ・フランソワ

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少し前の年代を背景にしたストーリーなのだが、
何とセンスのよい映画なのだろう。
              *
ユーモアやウイットにとみ、リズム・テンポにすぐれ、
人のくやしさや、はじらいや、対抗心さえ、心地よく
表現し、観る人をしあわせにするような作品だ。
そして、「ある子供」で若い恋人を演じたD・フランソ
ワが、チャーミングなローズ・バンフィルを好演して
いるのも素晴らしい。
              *
見事にやられた!…そんな嬉しい余韻を残す
フランスの映画の逸品。

映画 風立ちぬ ☆☆★


■ 2013年 アニメーション 126分 (ミッドランドスクエアシネマ)

■ 監督・脚本 宮崎駿

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超の付く時間と労力を費やしたであろう長編動画を観ながら
改めて思う。
大気を自由に駆ける飛翔感覚こそ、宮崎動画の最も優れた
点である、と。
その点で、この作品には窮屈感があり、自由さを損ねている、と。
               *
たぶん大震災や戦争、病気といった題材が‘重し‘となって
いるせいだろう。
題材は、作り手たちが選んだわけで、一観客としては、兎や
角いう筋ではない。それはそれで重要かも知れず、描きたい
ことであったに違いないのだ。
               *
しかし、宮崎動画の傑作は「紅の豚」であり「となりのトトロ」
であると思う者にとっては、敬意を込めて言うのだが、本作
には、軽い失望を禁じ得なかった。
宮崎動画は、もっと明快でかつ神秘的で、自由で、破天荒
に大空を飛翔する作画を!と、の思い故に…。

DVD 香華 前後編 ☆☆☆☆

■ 1964年 松竹 202分  
■ 監督・脚本 木下恵介 
■ 原作 有吉佐和子
■ 出演 岡田茉莉子 音羽信子 三木のり平

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長尺のドラマを見応えある映画にしているのは、原作の力と
木下の演出、そして音羽信子の演技の凄さにある。

音羽が演じるのは、淫蕩で、奔放な母親の郁代。
驚くほど破廉恥で、エネルギッシュに生き抜く姿に、
呆然としながらも、不思議に共感を覚えてしまうのだ。

「そやかて、…」 「わては、ただ…だけや」

郁代はそんなセリフを口にしながら、平気で男を何度も取り
替えては、娘の同情に甘えようとする。
音羽の媚びるような表情や仕草は、女の恐ろしを感じさ
せて圧倒的だ。
 

DVD 永遠の人 ☆☆☆☆

■ 1961年 松竹 107分 
■ 監督・脚本 木下恵介
 撮影 楠田浩之
■ 主演 高峰秀子

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小作人の娘だったさだ子の30年に及ぶ確執を描いた物語。

木下の脚本は、さだ子の憎悪を書き込むことに徹底しており
素晴らしいの一言に尽きる。
勝ち気で、過去に固執するさだ子は、高峰以外には演じられ
ないほどの好演で(木下の脚本は彼女を想定して書かれた
のではないか)と思わせるほどだ。

加えて素晴らしいのは、撮影である。
阿蘇山が見える田園地帯に建つ地主の家の描写。
ごぅごぅと水量豊かに流れ落ちる渓谷の流れ。
小作人の住むあばら屋、前に広がる稲穂の波。
登場人物たちの表情。
実にていねいな撮影がされている。

往時の邦画の豊かさを見せ付けられる思いがした。

木下恵介49歳
楠田浩之45歳
高峰秀子37歳
佐田啓二35歳 仲代達也29歳 乙羽信子38歳 






映画 異母兄弟 ☆☆☆☆

■ 1957年 110分 (シネマスコーレ)
■ 監督 家城巳代治
■ 撮影 宮島義勇
■ 美術 平川透徹
■ 出演 三国連太郎 田中絹代

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シネマスコーレでの「追悼・三國連太郎」の上映作品を観る。
 
撮影、美術、演出、そして俳優陣ともに、50余年前の日本
映画の水準の高さを感じる名編だ。

とくに演技では、家父長三国の暴虐ぶりが、じつに凄まじい。
以前ブログで、三国の代表作について記したが、この映画を
観たあとでは、彼の代表作に追加しないわけにはいかない。
34歳の三国連太郎。信じられないほどの、入魂の一編。


映画 襤褸の旗 ☆☆

■ 襤褸の旗 1974年 115分 (シネマスコーレ)
■ 監督 吉村公三郎
■ 脚本 宮本研

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作り手たちの熱意が感じられる映画ではある。

しかし、分かりにくいところがいくつか残った。
もっと、詳細に描いてもよかったのではないか。
田中正造が農民らの闘争に共感するきっかけ。
鉱毒被害者たちの悲惨で具体的な姿。
離村せざるを得ない小作人たちの行く末。
耕作地を有する農民と小作人との乖離、など。

行政権力による強制執行場面は、確かに濃厚
に描かれてはいたのだけれど…。
   

DVD トレーダーゲーム ☆ 

 TRADER GAMES 2010年 カナダ・ベルギー・フランス 85分

■ 監督 ファブリス・ジュネスタル

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トーの「奪命金」に、遠く遠く、およばない。
                                      
 

DVD ファウスト ☆☆☆★

■ FAUST 2011年 ロシア 140分
 
■ 監督 アレクサンドル・ソクーロフ
■ 美術 エレナ・ジューコワ
■ 衣装 リディア・クルコワ

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美術や衣装デザイン、それに俳優たちの演技が、映画の悪魔的
な雰囲気をよく醸し出している。
ソクーロフの演出も、ファウストが運命の魔手にかかって堕ちて
ゆくさまを巧みに描いてる。
力作だ。

しかし、140分の長さがこの作品に必要だったのか。
観ながら、再三首をひねってしまう。
堪能は量によって必ずしも決まらない。
深い質はもちろん、適度な量が肝要なのだ。


るな2歳   消しゴムはんこ


      
        2歳になった孫、瑠奈に
 
       (キミのちょっぴり勝ち気な表情が大好なのダ!)


瑠奈 web2歳.jpg 

              ( 判の大きさ 顔 20×25ミリ 名 10×20ミリ )






DVD ダークシティ ☆☆☆★

■ DARK CITY 1998年 アメリカ 100分

■ 監督 アレックス・プロヤス
■ 撮影 ダリウス・ウォルスキー
■ 出演 キーファー・サザーランド   ジェニファー・コネリー
       ウイリアム・ハート

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夜の街、闇の世界が、動く美術作品のように展開する映画だ。

これだけ、美術、照明、撮影、演出ともに、発揮できる最大限
の技術、感性を詰め込んだ作品は滅多にない。

この映画を熱狂的に支持する人たちがいると聞くが、それも
尤もなことだと思わせられる。 

映画 スタートレック イントゥ・ダークネス ☆☆☆☆

■ STAR TREK INTO DARKNESS 2013年 アメリカ 132分 (MOXIV三好)

■ 監督 J・J・エイブラムス
■ 出演 ベネディクト・カンバーバッチ 
       サイモン・ペッグ      ピーター・ウェラー
 

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映画館で楽しむハリウッド映画とは、このような作品を云うのだろう。
                 *
ストーリーの芯は、明快だ。
敵対する者が持つそれぞれの主張と感情が、ストーリーを引っ張り、
大画面で展開する驚異の映像が、加速に加速を重ね、
次々と起こるアクシデントに追走するダイナミックな音楽を持つ、
観る者を飽きさせぬハリウッドの娯楽映画。
あっという間の2時間余。
                 *
出演する顔ぶれも、うれしい。
「シャーロック」で好演したB・カンバーバッチ。
彼の存在がこの映画を興味ある作品にする。
エドガー・ライト作品でお気に入りのS・ペッグ。
この映画でも味のある、そして大のつく活躍ぶりを見せる。
「ロボコップ」俳優のP・ウェラー。
近未来映画の草分け的俳優が見せる貫禄のマーカス提督役。
久々に「豪華な」映画を堪能した。






DVD わたし出すわ ☆☆☆★

■  2009年 110分

■ 監督・脚本
 森田芳光
■ 撮影 沖村志宏

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森田のオリジナル脚本である。
「そのお金、私が出してあげようか」と高校時代の同級生に言う摩耶。
同級生たちのそれに対する反応…。
受け取った後に、あるいは受け取らなかった後に、変わる彼らの人生…
あるいは変わらぬ人生…。
摩耶の職業は…出すわと申し出る意図は…病室の母親は…。
さまざまな謎めいた部分を明らかにしないまま(暗示はしているが)
進行するドラマである。

ありそうでなさそうなエピソードを(いや、なさそうでありそうなエピソード)を
重ねながら、平凡そうに見える人たちが、それぞれの事情や家族を持って
生活しているさまを、静かな語り口で描いていく。
妙なおかしさ、かなしさと、リアリティを感じさせる森田映画、その秀逸さよ。



映画 囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件 ☆☆☆☆

■ CAPTIVE(人質) 2012年 フランス/フィリピン/ドイツ/イギリス 120分 (シネマスコーレ)

■ 
監督 ブリランテ・メンドーサ
■ 出演 イザベール・ユベール

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ドキュメンタリーフィルムのような迫真の画面が続く。
観客自身も、余儀なく人質となってしまったような錯覚を覚える。
それが120分間ずーうと続く。
           *
放送局のレポーターや
小村の学校の子供たちや
少年たちで構成される武器補給隊も
人質を解放することはない。
           *
病院で 川べりで 草原で
突然に起こる銃撃戦。
パンパンと乾いた音を立て
ひゅんひゅんと飛んでくる銃弾。
           *
人質の或る者は殺され
或る者は解放され
或る者はイスラムに改宗させられ
或る者は被弾して死に
或る者は政府軍に救出されるのだった。