映画 かぞくのくに ☆☆☆☆★

■ 100分 (名古屋シネマテーク)

■ 監督・脚本 ヤン・ヨンヒ

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子供の頃に住んでいた名古屋では、自分はあまり見かけなかったが、関西

に住んでいた人の話では、その地方では北朝鮮へ移住する家族に小学生が

いると、学校ではよく送別会が行われていたという。それも、毎月の行事のよ

うに度々行われていたという。

                    *

映画は、そうした「帰国事業」から25年後のかぞくの離別の姿を描いている。

いや、25年「後」ではない。取り返すことのできない25年「間」、そして「今」、

さらに「これから」。その取り返すことの出来ないもどかしさを描いたものだ。

どうして、いまでも取り返しがつかないのか…。その歯ぎしりするような哀切。

ヤン・ヨンヒ監督にしか描けない、そうした深い哀切が全編に流れている。

その哀切を前にして、観客は声を発することができない…。

  

ネパールスケッチ  物売りのおばさん

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            バクタブルの町角 その3
   

 

映画 レ・ミゼラブル ☆☆☆☆★

■ LES MISERABLES イギリス 158分 (ミッドランドシネマ名古屋空港)

■ 監督 トム・フーパー

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たぶんこの映画の成功は、華麗なミュージカルに仕立てたときに、約束された

のではないか。

崇高かつ重厚で著名な物語の映画化は、そんなに珍しいことではないが、

CGを駆使し、当代のスターを出演させる壮大なミュージカルとなると新鮮だ。

どんなスターが、一体どれほどの声楽を披露するのだろうか。

舞台とは違う映画では、どんな場面が展開されるのだろうか。

観客の興味は自然とそそられるのだ。

この映画企画者たちの意欲と、慧眼ぶりに舌を巻く思いがする。

                   *

出来上がった作品は長尺にもかかわらず、期待以上の出来映え。

骨太のストーリーに貫かれた人間模様は、飽きさせない展開と豪華な映像で、

そして、スターたちの力演・好演、そして美声の披露で、

映画的カタルシスを味わわせてくれる。

映画館で観るべき堂々たる作品として仕上がった一編だ。

                   *

ついでながら、私の大好きな女優、ヘレナ・ボナム=カーターが、マダム・テナル

ディエを怪演していたりするのもうれしい限りだった。 

 

 

映画 みなさん、さようなら ☆☆☆

■ 120分 (センチュリーシネマ)

■ 監督 中村義洋

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この映画の面白さは、主人公である悟のアイデンティティ-が団地その

ものである、という点である。

                  *

登場人物がちらりと見せる表情や、ふと吐く言葉に、妙に生々しさがある。

それは活気の薄い、普段は内側に押し込められてる得体の知れない感情

が、その人間の身体を使ってふう-っと現れた、とでも云うような生々しさだ。

ケーキ屋店主の泰二郎(ベンガル)も、隣に住む同い年の波瑠も、

団地の最後の友人憲明も、憧れの少女の早紀も、皆そうだ。

彼らに殊更の悪意があるわけではないが、それは悟をはぐらかすことになる。

やがて、彼らは団地から、そして悟から去って行く。

小学校の教室での別れの挨拶言葉であった「みなさん、さようなら」は、

団地から去りゆく者の、残った悟へのグッドバイになった…。

は、「さよなら」と、10年以上、いや20年近くずっと言われ続けてきたのだ。 

                 *                 

そして、母の急死。 

悟は団地を出る。 

その時、「みなさん、さようなら」の意味が、不意に反転する。 

別れを告げる主体が、悟に移るのだ。

最も自分を理解していた母と、さよならすることによって、 

やっと新しい世界、「世間」に踏み出すことができる悟。

これまでの古いアイデンティティ-に、団地に、団地の生活に、

さよなら。さよなら。

駅に向かって歩く悟の姿を映しながら…エンドロール。

しかし、その足取りは、果たして確かなものなのか、どうか…。

 

映画 ブラッド・ウェポン 逆戦  ☆☆☆☆ 

■ 逆戦 THE VIRAL FACTOR   

 2013年 香港 123分(センチュリーシネマ)

■ 監督 ダンテ・ラム

■ 出演 ニコラス・ツェー ジェイ・チョウ

      アンディ・オン リウ・カイチー 

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ダンテ・ラム監督のアクション映画ということで期待して
封切り日に出かけた。

邦題が意味不明であるにしても、
過剰な親子兄弟のホームドラマ的要素の強さがあるにしても、
アクション満載の期待以上の出来のいい映画だった。

              *

ヨルダンの市街地での銃撃応酬シーンのすさまじさ!

マレーシアの繁華街で人波を分けてのカー・チェイスと続くクラッシュ!

さらに、建ち並ぶ高層ビルの谷間を縫うように飛行するヘリコブター戦!

映画館ならでは味わえぬ、大音響と大型スクリーンでの迫力あるスピー

ディな展開に酔った。

               *

俳優では、ニコラス・ツェーもよかったが、顔をくしゃくしゃにしながら涙を

流す シーンには、私はちょっと鼻白んでしまった。

それよりも、悪役を演じたアンディ・オン(安志杰)がいい。

狡くて、非情で、狙撃技術が抜群の若いボスを、高い身体能力を生か

して体現している。今後大いに活躍していくに違いない俳優だ。

 

 

DVD 太陽の墓場 ☆☆☆☆★

■ 1960年製作 88分

■ 監督 大島渚

■ 脚本 大島渚 石堂淑朗

■ 撮影 川又昂

■ 音楽 真鍋理一郎

■ 出演 津川雅彦 炎加世子 佐々木功 戸浦六宏 川津祐介

       渡辺文雄 小沢栄太郎 藤原鎌足 北林谷栄 小池朝男

      浜村純 佐藤慶 左卜全 田中邦衛 小松方正 伴淳三郎   

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大島渚28歳の才能と意思の確かさに、あたらめて驚かされる。

今は故人となった多くの名だたる老練な俳優陣と、気鋭の若手キャストを

たくみに使って、商業映画では考えられないような、底辺生活者のアナー

キーでエネルギッシュな世界を描き出す若きシネアスト大島渚。

脚本、音楽、撮影のいずれもすばらしい希有な傑作!

 

 

ネパールスケッチ 今日は何しようか…

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       バクタブルの町角 その2

DVD 神弓 ☆☆☆☆ 

■ 韓国 2011年製作 122分

■ 監督・脚本 キム・ハンミン

■ 撮影  キム・テソン

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弓の名手ナミと、清の弓集団との戦闘がシーンが素晴らしく、

それだけでも、この映画を観る価値はじゅうぶんにある。

手持ち撮影のカメラワークが、状況の緊迫感を荒々しく、走る人間の流れるような

美しい動きを伝える。

映画に思わず引き込まれる興奮の瞬間を味わえる異色のアクション映画だ。

 

ネパールスケッチ  二人でお散歩

文化遺産の多い町バクタブル。

ダルバール広場は、観光客だけでなく、町の人も歩く生活の広場です。

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  バクタブルの町角 その1 (18×14 センチ)




BD 007/慰めの報酬 ☆☆☆☆

■ QUANTUM OF SOLACE 2008年 イギリス/アメリカ 106分

■ 監督 マーク・フォースター

■ 脚本 ニール・パーヴィス  ロバート・ウェイド  ポール・ハギス

■ 主演 ダニエル・クレイグ

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この作品は、前作「007/カジノ・ロワイヤル」を観ていないと、話の筋が見えない。

つまりは、その続編なのだ。

これまでの「007映画」は、それぞれが独立している話だったから、今回はちょっと

イレギュラーの感はあるが、ルール違反と言うわけでもないのだろう。ただし、観客

にしてみれば、面食らう印象は残る。

アクションはヒート・アップ。加えて、撮影、編集にも切れがあり、ボンドの精悍さが

際立つ出来映えだ。

今回も、ブルーレイ・ディスクで見たが、アクション物は特に迫力を感じた。

 

ヒマラヤを見に行こう

ヒマラヤを見に行こう。

遠くからでもよいので、実際に見てみたい-

そう思って出かけた12月のネパール。

 

                 *

 

 2012年12月18日 標高6,650mのフルビ・チャツ山

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     (午後5時 ナガルコットのホテル屋上より)    

 

 

② 12月19日 

左はアンナプルナⅣ峰7525m 右はアンナプルナⅡ峰7937m

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  (午後5時 ノーダラの丘より)

 

 

 

③ 12月20日

アンナプルナⅠ峰8091m(世界第10位の高さ)

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  (12時 ラムコットの丘より)

 

 

マチャプチャレ 6993m 宗教上の理由で禁足の山

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 (午後4時15分 ウルトラライトプレーン機の後部座席より)

 

 

 

ウルトラライトプレーン-二人乗りノンフードの超軽機-操縦士と私(後部座席)

 

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       眼の前に迫るマチャプチャレ6993m

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        アンナプルナⅢ峰7555m

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④ 12月22日

左正面がマナスル8163m(世界第8位)

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  (午前10時 カトマンズへの定期便機内より)

 

⑤ 12月23日

中央がエベレスト8848m(世界第1位) 右がローツェ8512m(世界第4位)

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 (午前10時30分 カトマンズからの遊覧飛行機内より)

 

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                   *

幸運にも、ヒマラヤの山々を見ることができた今回の旅に感謝!

 

それにしても、ヒマラヤは凄い[E:sign01]

 

 

 

 

 

BD 007カジノ・ロワイヤル ☆☆☆☆

■ CASINO ROYALE 2006年 アメリカ/イギリス 144分

■ 監督 マーティン・キャンベル

■ 脚本 ニール・パーヴィス  ロバート・ウェイド  ポール・ハギス

■ 主演 ダニエル・クレイグ

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物語は、ジェームス・ボンドがダブル・オーのライセンスを得るため、二つの殺害

を実行するモノクロ-ル画面から幕を開ける。

そして、決めのポーズ。

続いて、華麗な色彩の、センスのよいアニメーションの展開。

ブルーレイ・ディスクで観るためか、鮮やかさが際立ったタイトルバックだ。

さて、本編はと言うと、ユーモアよりもアクション優先のボンドの活躍。

主人公が陥る窮地は、かなりハードな描写にグレードアップ。

しかし、信じられないほどタフな肉体をもったヒーローはそれを脱してゆく。

かくて、ダニエル・クレイグ演じる強靱なスパイ-007は誕生した。    

映画 最初の人間 ☆☆☆☆★

■ LE PREMIER HOMME フランス/イタリア/アルジェリア 105分 (名演小劇場)

■ 監督・脚本 ジャンニ・アメリオ

■ 原作 アルベール・カミュ

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国、民族、人種、テロ、支配、領土、家族、母国、祖国、父、そして母…。

作家アルベール・カミュの内なる懊悩、そして魂の彷徨…。

 

この映画は、まるで静かな哲学者のような眼差しを感じさせる。

 

 

製本 ブログSketchプラスワン2012 

昨年ブログとして綴った記事を製本しました。

記事は年間200回、頁数は84頁。

多くは、観た映画やDVDの寸評でした。

上映館で観た映画が61作品。

DVDは92作品。

そのうちの最長尺は、DVD「ブラック&ホワイト」(台湾)全24話、合計約2400分。

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2013年 賀状

  130101

     明けまして おめでとう ございます[E:sign01]

 

    よろしく 今年 [E:sign03]