映画 ザ・レイド ☆☆☆☆★

■ THE RAID (原題「急襲手入れ」) インドネシア 102分

                         (センチュリーシネマ)

■ 監督・脚本 ギャレス・エヴァンス

■ 出演 イコ・ウワイス ヤヤン・ルヒアン

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ここしばらく、このフィルムを凌ぐ武闘アクション映画は、現れないのではないか。

                      *

それほど全編徹底した本格的な格闘シーンと、銃撃シーンが展開される映画だ。

いずれの出演者も、鍛えに鍛えた強靱な肉体と、高度な武術を披露する。

新人警官役のイコもいいが、麻薬王の部下役のヤヤンの動きも凄かった。

                     *

早くも続編の製作が決定しているとのことだが、大いに期待したいものだ。

 



      

DVD 国家代表!?  ☆☆☆★

■ 국가대표(原題「代表」) 2009年製作 韓国 146分

■ 監督・脚本 キム・ヨンファ

■ 主演 ハ・ジョンウ

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長野オリンピックのスキージャンプ韓国代表チームの実話をベースに

しているが、さまざまなエピソードを付け足した完全なフィクションだと

云ってよいだろう。

主演は、「チェイサー」や「哀しき獣」で好演したハ・ジョンウ。

                   *

全体的としては、観ていて少し恥ずかしくなるようなハートウォーミング

な内容だが、それを些かも臆面なく、ぐいぐいと演出・演技する姿勢は

立派に思えるから不思議だ。

後半の30分を生かした1時間半ほどの長さの映画にしたら、もっとよ

かっただろうに…惜しい!                   

 

 

映画  ミステリーズ 運命のリスボン ☆☆☆☆

■ MISTERIOS DE LISBOA フランス/ポルトガル 267分 (名演小劇場)

■ 監督 ラウル・ルイス

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流麗な映像に導かれ、謎に満ちた登場人物たちの人生に付き合う4時間27分。

自尊心や嫉妬。

地位や欲望。

愛欲と信仰。

決闘とティータイム。

そして、謎めいた困惑のラストシーン。

どのカットも、西洋名画のような美しさをもった映画だった。 

    

映画 コンシェンス 裏切りの炎 ☆☆☆☆★

■ 火龍 中国/香港 106分 (ミリオン座)

■ 監督 ダンテ・ラム

■ 主演 レオン・ライ  リッチー・レン

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この作品、名古屋での劇場公開は4日間限り。しかも夜1回の上映のみ。

という不幸な封切りだった。

                   *

しかし、香港アクションの迫力満載の、すこぶる付きの傑作だったのである。

物語は、レオン・ライと、リッチー・レンが演じる刑事二人の確執を軸に、

警察と爆弾製造組織との戦いを描いている。

                   *

だが、この映画のよさは、話の筋などよりも、映像処理の華麗さと、アクシ

ンの凄さ、香港市街地での追走劇の素晴らしさにある。

そのほとんど限界に近い映画的冒険に、目を疑うばかり。

その一。

映画の冒頭カットの流れる背景の処理と、それに続く2カットめの、モノ

クロのストップモーション画面の中を滑らかに移動するカメラの動きの

不可思議な世界。あのテクニックはいったいどういう手法なのだろう。

最初のシークエンスで、観るものを虜にしてしまう傑出した演出の妙。

その二。

店内で起こった爆発で、男二人が吹き飛ばされ、地面に叩き付けられる。

それを、ワンカットで撮っている。どうしても人形を使ったように見えない。

本当の生身の人が吹っ飛んだようなのだ。

役者たちの身体はどうなっているのか。ワイヤーで支えられたアクションも

あるのだろうけれど、それでも衝撃は尋常ではないはずだが…。

その三。

多くの人たちが歩く真っ昼間の繁華街で、突然始まるカー・クラッシュや銃撃戦。

本物の香港の市街地なのか。セットなのか。しかし、セットには見えない。

本物なら、あまりにも危険すぎる。危険すぎて、はらはらする。

この、はらはら感が、アクションの「命」なのだ。

ダンテ・ラム監督はそれを心得ている。

だから、、「ビースト・ストーカー/証人」「密告・者」も素晴らしかったのだ。

                 *

雨の日曜日の夜、香港アクションを観たいため映画館に来た観客は30人余。

映画館ならではの、迫力の大音響と、大型スクリーンで味わう至福の時間。

それが、映画「コンシェンス 裏切りの炎」だった。

 

映画 アルゴ ☆☆☆☆

■ ARGO アメリカ 120分 (MOVIX三好)

■ 監督 ベン・アフレック

■ 脚本 クリス・テリオ     ■ 撮影 ロドリゴ・プリエト

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演出、脚本、撮影ともに素晴らしく、緊迫感にあふれる名編である。

下手をすれば、薄っぺらなものになりかねない題材を、分秒を争う濃厚

救出劇に仕上げた脚本が見事である。しかも、実際に起こった事

ゆえに、何かと慮しながらの脚本化だったに相違ない。

この脚本の精神は、

馬鹿馬鹿しさの裏に周到な準備を!

息苦しさの中に光るユーモアを!

不可能な状況の中でも行動を!

であり、

人質となる怖さ、暴徒化する人々の恐ろしさを含め、演出、撮影とも

脚本よさを十分引き出したものになっている。

まるで、自分自身がイランから脱出するような緊張の2時間を体験する

映画だった。

 

 

DVD 武士の家計簿 ☆☆☆★

■ 2010年製作 129分

■ 監督 森田芳光

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加賀藩の御算用方を務める武士の暮らしぶりが興味深い。

その面白さにひかれて、最後まで退屈せずにみてしまう。

そして、最後に、静かで不思議な感慨を覚える映画である。

                *

1983年に発表した映画「家族ゲーム」で注目を集めた監督森田芳光。

同じく松田優作を主役にした「それから」を1985年に公開した。

代表作で最良作は、この2本のいずれかに間違いないだろう。

あれほどインパクトのある映画を発表した以後30年近くも、

森田は長距離ランナーのように映画の道を走り続ける。

おやっ、と思うような平凡な作品もあり、どうしてもみたい!と

思わせる監督でなくなってき、往時の沸々たるものは見られない。

しかし、どっこい、観客の興味を引く映画をつくる精神は健在で、

水準のプログラムピクチャーの腕はさすがなのだ。

映画 サクリファイス ☆☆☆☆★ 

■ OFFRET LE SACRIFICE 1986年製作 スウェーデン/フランス 149分

                              (名古屋シネマテーク)

■ 脚本・監督 アンドレイ・タルコフスキー

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タルコフスキー生誕80年を記念し、8作品が上映された。

その中の「サクリファイス」は、彼の遺作である。

                  *

核戦争勃発の1日を描いたこのフィルムは、神へ犠牲を捧げる老インテリの精神

の遍歴を透徹した目で見つめるタルコフスキーの凄さを、まざまざと感じさせる。

映画に登場する、声を出せない「少年」や、植えられる枯れた日本の「木」や、

燃やされる「家」に込められた象徴性は、観る人の想像を刺激してやまない。

そして、驚異的なワンカット・ワンシーンの多用は、タルコフスキーの哲学的な

映像世界に強く引き込むかのようで、魅惑的だ。

                  *

四半世紀前に作られた映画は、今なお観る人に、思索することを要求した。

    

映画 強奪のトライアングル ☆☆☆☆

■ 鐡三角 中国/香港 93分 (ミリオン座) 

■ 監督 ツイ・ハーク

       リンゴ・ラム

       ジョニー・トー

■ 出演 サイモン・ヤム   ルイス・クー ス   ン・ホンレイ   

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風変わりな映画をつくったものだ。

異なる三人の監督が、一つの物語を、30分ずつリレー式に撮ったのだとか。

どこからがどの監督の演出なのかは判然としないのだが、兎も角も、売れっ子

の監督と、お馴染みの役者たちが出演する異色のノワールサスペンスは嬉しい。

                    *

最初部がツイ・ハーク監督。

緊張感がみなぎる歯切れのいい導入部で、片時も目が離せない。

リンゴ・ラムの中間部は、怪しげな雰囲気の漂う幻惑感がとても印象的だ。

最終部はジョニー・トー。

トー独特の遊びの精神にあふれ、思わずニヤリとする。

かと思うと、夜の草叢での銃撃戦にはヒヤリとさせられる。

ヒヤリとしながら、トー映像のクールで美しい暴力的シーンに引き込まれる。

ほとんど魔術的で、映画でしか表現できない力があふれている。

                    *

香港映画の好きな向きには、異色ながらも、何とも堪らない作品だった。

 

 

 

 

松原湖畔の秋

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秋色を深める信州八ヶ岳を望む松原湖畔。

その軽さがすっかり気に入ったミラレス写真機でパチリ。

気持ちのいい秋の一日です。

入笠山 消しゴムはんこ

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( 30ミリ × 50ミリ 加工ソフトによる色彩処理 )

信州の入笠山に登りました。

なだらかな山頂の展望は、まさに360度のパノラマ。

紅葉の八ヶ岳連山はもちろん、白雪をかぶった富士山の姿も見られました。

登山記念にはんこを作りました。

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 元のはんこ  大きさは同じ

DVD ある子供 ☆☆☆☆

■ L' ENFAN 2005年製作 ベルギー/フランス 95分

■ 監督・脚本 ジャン=ピエール・ダルデンヌ リュック・ダルデンヌ

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まるでドキュメンタリー映画をみているような感覚にとらわれる。

それほど、俳優たちの演技は生々しく、自然で、そして美しい。

定職を持たず、父親の自覚もなく、小悪事をくり返す青年ブリュノ。

彼の罪は、彼だけの所為か。彼だけのものか。

ヨーロッパの街での出来事を活写したこの映画は、

誰にでも、どこででも起こり得る現実であることを

思い知らせるかのような、素晴らしい一編だ。

 


 

卓球はんこ 消しゴムはんこ

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   ( たて 80ミリ×よこ 70ミリ )

私の通っているスポーツクラブで、水泳と卓球を教えるSコーチ。

その人が、7月の市卓球競技大会で優勝しました。

10月末に別のクラブに転勤になるので、これまでのお礼として作りました。

作ったはんこをアレンジした私家版の切手シートも印刷して渡します。

Winner_2_web

 

 

なまえ判子 消しゴムはんこ

Sinnya_2

前回失敗したなまえの部分を、彫り直すことにしました。

一文字の大きさは、

たて8ミリ。

よこ7ミリ。

同じなまえを字体を少し変えて、3つ作りました。

細かい作業は、目がずいぶんと疲れます。

失敗あり 消しゴムはんこ

Takkyu_01 Manga_01

    例1 卓球               例2 漫画キャラクター 

 

はんこつくりに、失敗はつきもの。 今もしばしば、おかしてしまいます。

               *

例1は、画数の多い漢字でのミス。

ほりたい線と線の間が狭いので、線を削ってしまうのです。

例2は、目のミス。

これも、狭いために起こすミス。

目は最も大事だ、と思って慎重に削るのですが

よくミスします。

画竜点睛を欠く、の言葉どおり、これはミスのなかでも致命的です。

 

DVD ロルナの祈り ☆☆☆☆★

■ LE SILENCE DE LORNA 2008年製作 ベルギー/フランス/イタリア 105分

■ 監督・脚本 ジャン=ピエール・ダルデンヌ  リュック・ダルデンヌ

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まれにみる秀作!

ダルデンヌ兄弟の「ロルナの祈り」は、繊細さと力強さをもった見事な映画だ。

ディテールをゆるがせにしない映像が、ロルナという女の生活と心情を鮮やか

に浮かび上がらせ、観客は徐々に共感を彼女に寄せていく。

同兄弟監督の「息子のまなざし」も、映画でならではの表現をもった作品だったが、

「ロルナの祈り」にも、同じように強い感銘を受けた。

 

          


      

DVD ブラック&ホワイト ☆☆☆☆ 

■ 痞子英雄~Black & White 2009年放映 台湾TV 全24話 約1200分

■ 監督 ツァイ・ユエシュン

■ 主演 ヴィック・チョウ マーク・チャオ

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若い俳優を使ったアクションドラマはおもしろい。

一話ごとに謎が (深まる、のではなくて) 広がる作り方がうまく、

24話の物語を最後まで引っ張っていく。

若きふたりの刑事のキャラクターもいい。どちらも魅力的な男である。

放映時に年間視聴率NO.1を記録した、とのことだが、それもうなずける。

台湾では、テレビドラマで、これほどの作品が作れるのか。

正直おどろく。

映画「ハーバー・クライシス<湾岸危機>」の元になったこのドラマ。

「うれしい寝不足」をも味わえる刑事ドラマだった。

 

映画 最強のふたり ☆☆☆☆★

■ INTOUCHABLES フランス 113分 (ミッドランドシネマ 名古屋空港) 

■ 監督・脚本 エリック・トレダノ  オリヴィエ・ナカシュ

■ 主演 オマール・シー  フランソワ・クリュゼ

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 実にすがすがしい気分にしてくれる映画だ。

 境遇のちがう者たちが生きるこの社会で、生きる歓びを見出すヒント。

 それは、同情でなく、善意でなく、ましてや遠慮でもない。

 実話に基づいたこの映画は、そのヒントを明確に示すのだ。

 すがすがしいユーモアを全編に散りばめながら…。