DVD  トラブルシューター ☆☆☆★

■ 解決士 TRAPPED 劇場未公開 2010年製作 韓国 100分 

■ 監督 クォン・ヒョクチュ

■ 出演 ソル・ギョング

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韓国の活劇映画のアクションシーンは痛快で、いつも唸ってしまう。

この「トラブルシューター」も格闘シーン、カーチェイス場面、ともに

迫力満点である。

映画の筋は、ソル・ギョング演じる元警官が、はめられた陰謀の罠から

いかに脱するかというもので、殺人と政治がからんだものになっている。

ソルの不死身ぶりが徹底していて、あきれながらも、嬉しくなるほどだ。

活劇に「涙」や「御託」は、無用!

本作は、そのことをきちんと守っており、じつにすがすがしい。

日本映画が見習うべきところは、まさにその点だけれど、

この夏公開された邦画はどうだったか…。

この秋公開予定の邦画はどうか…。

正直なところ、うーむ…である。

 

 

 

 

 

DVD ギルバート・グレイプ ☆☆☆☆

■ WHAT'S EATING GILBERT GRAPE 1993年製作 アメリカ 117分

■ 監督 ラッセ・ハルストレム

■ 出演 ジョニー・デップ レオナルド・ディカプリオ ジュリエット・ルイス

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アメリカの田舎町。

家族の暮らしを支えるために生きる青年ギルバート。

今の生活に自分は満足なのか。

別の生き方もあるのではないのか。

自由な風を運ぶように走るキャンピングカーが

まぶしくも切なく、そう呼びかける…。

映画 桐島、部活やめるってよ ☆☆☆☆ 

■ 桐島、部活やめるってよ 103分 (ミッドランド名古屋空港)

■ 監督・脚本 吉田大八

■ 撮影 近藤龍人

■ 原作 朝井リョウ    

 

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青春映画の秀作!

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(2007)を監督した吉田大八。

「海炭市叙景」(2010)を撮影した近藤龍人。

朝井の原作を得て、若者の姿を生き生きと描いている。

今年の日本映画の収穫の一つになるだろう。

見逃す手はない。

 

 

 

      

DVD 太陽に灼かれて ☆☆☆☆★

■ UTOMLYONNYE SOLNTSEM 1994年製作

               ロシア・フランス 136分

■ 監督 ニキータ・ミハルコフ

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スターリン時代の粛正は、どんな悲劇を生んだのだろうか。

ミハルコフは、その一つを華麗な映像で描いてみせる。

引き裂かれた恋人たちの魂。

戦前の暮らしへの甘美な郷愁。

毒ガス訓練の余りにも滑稽な軍事風景。

そして、愛憎と報復…。

はっとするような映画美に富んだ一編だ。

 

 

  


       

イニシャル印3種 消しゴムはんこ

 

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映画 るろうに剣心 ☆☆★

■ 134分 (MOVIX三好)

■ 監督 大友啓史   ■ アクション監督 谷垣健治

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アクションシーンは☆☆☆☆で、それ自体は出色の出来だった

日本映画でも、ここまでやれることを示したことは嬉しいことである。

アクション監督の谷垣は、日本だけでなく、香港映画「導火線」や「孫文の義士団」

のスタントコーディネーターをするなど、海外でも活躍している人であり、

その力量は、この映画でも、遺憾なく発揮されている。

                 *

しかし、コミックの原作を、生身の俳優が演じる2時間ほどの実写版映画にする

のは、簡単なことではない。

原作コミックでは、さほど違和感を覚えないようなことが、映画ではそうでなくなる。

たとえば、心情を延々とセリフで語ることや、事の経緯を説明的に描写することや、

アクション場面を詰め込み過ぎることや、観る者の感情を過多に煽ろうとすること

や…等々、映画には邪魔なものなのだ。

その点を忘れると、映画作品としては成立しない。映画化せず、コミックを読め

ばよい、ということになる。

明治の世になったばかりの頃の士族の話は、物語としての魅力に富んでいるし、

アクションもすぐれているが、今回の作品は残念ながら、それを生かし切っていな

いのが惜しい。

続編では、1時間半くらいの長さで、登場人物をしぼった迫力あるドラマにして

ほしい。そうなるよう期待したい。

 

 

 

DVD ザ・ヒットマン ☆☆☆☆

■ DE ZAAK ALZHEIMER THE ALZHEIMER AFFAIR

    2003年製作 劇場未公開 ベルギー・オランダ 123分

■ 監督 エリク・ヴァン・ローイ

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DVDのタイトルから、派手なB級アクション映画を想像してしまう。

しかし、中身は、なかなか渋いB級アクション映画だった。

映画の原題は「DE ZAAK ALZHEIMER」。 

アルツハイマー病になりかけた老殺し屋の物語なのだ。

暗殺依頼者に義憤を感じた彼は、途切れていく記憶に抗うように

治療薬を飲みながら、反転攻勢を仕掛けていく。

思考も、動作も、衰えてゆく彼に、それは可能なのだろうか。

それが、この映画の見所である。

「記憶を失う前にケリをつける」

老殺し屋のセリフが、なぜか心にしみるB級映画だった。

 

DVD サン・ジャックへの道 ☆☆☆☆

■ SAINT-JACQUES... LA MECQUE 2005年製作 フランス 112分

■ 監督・脚本 コリーヌ・セロー

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ガイドを含めた9人の巡礼同行者を巧みに描いた脚本がうまい。

特に、二人のアラブ系移民の少年を巡礼者として登場させたことが、

物語を格段に面白くしている。

所々に挿入されるイリュージョンも、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに

通じる聖なる道の成せるものだとすれば、なんの違和感も覚えず、美しいと

さえ思わせる映画だ。

アサギマダラ 消しゴムはんこ

友人のKさんがアサギマダラの写真を送ってくれました。

入笠山麓を舞うチョウの姿が美しく、消しゴムに彫ってみました。

 

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                     ( 70×65 ミリ )

 

 

DVD 23年の沈黙 ☆☆☆★

■ DAS LETZTE SCHWEIGEN 〈最後の沈黙〉の意か  

           2010年製作 日本未公開 ドイツ 114分

 ■ 監督 バラン・ボー・オダー

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少女殺人事件は、23年前に起こった同様の事件と関係があるのか。

これが、この物語の表の主軸である。

あるとしたら、なぜ繰り返されたのか。

裏の主軸は、それであろう。

その二つに、犯行者と、警察と、殺された少女の家族との、

行動と心理が絡んでいく。

実話なら決して気分のよい映画ではないが、

フィクションとして楽しむのなら、話の展開といい、描く視点といい、

なかなか面白い映画である。

しかし、どうしてもフィクションとは思えない確かな重さが、この映画にはある。

それが、長所であるのか…、弱点であるのか…、見極め難し。

 

 

 

 

DVD ヒア アフター ☆☆☆★

■ HEREAFTER アメリカ 129分

■ 監督 クリント・イーストウッド 

■ 脚本 ピーター・モーガン

 

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死者は、生者の意識の中にこそ生きるのだろうか。

臨死体験のない私は、死亡後の世界は想像すら出来ないし、

何人かの人を見送ったが、死者との再会を望む心境になったことはない。

しかし、この映画を観ると、ちょっと立ち止まって考えるようになったのは事実だ。

                 *

それにしても、C・イーストウッドの製作意欲、創造魂には脱帽だ。

津波シーンの映像化も、扱っているテーマも、凡人には手が出せない。

それでも、水準の映画に仕上げる彼の才能衰えを知らぬかのようである。

こんな映画を作るC・イーストウッドが老人であるとは到底思えない。

DVD 東京暮色 ☆☆☆☆

■ 1957年製作 140分

■ 監督 小津安二郎

■ 脚本 野田高梧 小津安二郎

■ 出演 原節子 有馬稲子 笠智衆 山田五十鈴

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昭和30年代の親子、夫婦の関係を描いて、ほろ苦い味わいがある。

野田の書く脚本は、独特のリズムを奏で、諦観とも従容とも付かぬ世界を描く。

所々にどきりとする生々しさが現れ、登場人物が生き物であることを感じさせる。

「東京暮色」は、山田五十鈴が小津の映画に登場する唯一の作品だそうだが、

並み居る達者な役者たちの中でも、山田の存在感は圧倒的である、と感じるのは

あながち私の独善ではないだろう。

 

立秋を過ぎての私製ハガキ  消しゴムはんこ

8月半ば頃に出すハガキは、何?

定番になっている「残暑見舞い」ハガキも悪くはないのでしょうが

私には、何だかしっくりとしません。

なぜなら、暦の立秋を過ぎても、実感としては、夏はまだまだ盛り。

そこで、作ったのが「まだまだ 夏」ハガキ。

盛夏~晩夏向きのハガキです。

ただし、ハガキといっても、正式には大きさがハガキサイズではありません。

作り方 1 ボール紙を定形郵便物の大きさ以内に切る。(80円切手で送るため)

     2 消しゴムはんこの人物を押し、パソコンで印字した日本語と英語の

       メッセージを貼る。

     3 この大きさのボール紙に、メッセージと私信を入れても、25グラム以内

       に収まるので、80円切手を貼る。             

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                   ( 110 × 190 ミリ  11グラム  )

DVD 穏やかな暮らし ☆☆☆☆

■ UNA VITA TRANQUILLA 日本未公開 2010年製作 イタリア 100分 

■ 監督 クラウディオ・クペッリーニ 

■ 主演 トニ・セルヴィッロ 

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過去の生活を捨て、ドイツでレストランのオーナー兼シェフとして

穏やかな暮らしをおくる男トニ・セルヴィッロ。 

その前に現れるふたりの若いイタリア人。 

緑濃いレストランを舞台に、静かに不穏な物語の幕が開く。 

主演のT・セルヴィッロは、「湖のほとり」や「ゴモラ」でも味のある俳優だったが 

この作品でも、妙な気弱さと大胆さを合わせ持ったような男を好演している。 

独特の印象を残す幕切れも、味わい深く、私は好きだ。

     

映画 屋根裏部屋のマリアたち ☆☆☆☆

■ LES FEMMES DU 6EME ETAGE 〈「6階の女たち」の意か〉

   2010年製作 フランス 106分 (名演小劇場)

■ 監督 フィリップ・ル・ゲ

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フランスコメディの洒落た味わいのある映画。

おとな向けの寓話であり、観ていて幸せな気分になれる。

映画の終わり近くで、「女の子は?」という何気ないセリフがあるが、

それをさらりと入れてラストにするセンスは、やはりフランス映画なのだ。

 

 

DVD アスファルトジャングル ☆☆☆★

■ THE ASPHALT JUNGLE 1950年製作 アメリカ 112分

■ 監督 ジョン・ヒューストン

■ 出演 サム・ジャッフェ スターリング・ヘイドン

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宝石強奪の夜のシークエンスは、ぞくぞくするほどに撮影が美しい。

アメリカの裏世界に生きる男たちが、よく描かれた暗黒街映画の佳作。

意外なことだが、男に比べて脇役である女たちの姿も、きちん描かれている映画だ。

ひょっとすると、フィルム・ノワールの名作は男だけでなく、女の存在をしっかりと描

いているのかも知れない…と気付かされた思いだ。


   

 

 

DVD 今度は愛妻家 ☆☆☆

■ 今度は愛妻家 2009年製作 131分

■ 監督 行定勲

■ 脚本 伊藤ちひろ

■ 出演 豊川悦司 薬師丸ひろ子

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豊川悦司は、男の色気を感じさせる味のある俳優になった。

薬師丸ひろ子も、この人でないと出来ない役どころをもつ女優になった。

この二人が夫婦役の映画なので、期待して観た。

               *

配役も演技もよかった。

しかし、脚本の後半は全く要らない。

いや、有るがために興ざめること甚だしいといってよい。 

行定監督の演出も、観る者の想像力を信じていないほどに、

感情過多で、押しつけがましく、説明的だった。 

このような「悪癖」が日本映画にしばしば見られるが、

それを「感動作」と称して憚らぬようでは、あまりにも、淋しく悲しいことではないか。

                 *

行定の真の感動作を観たいと願う。

 

 

 

 

 

 

 

 

映画 ナイン・ソウルズ ☆☆★

■ 9SOULS リバイバル上映 2003年製作 120分 (ミリオン座)

■ 脚本・監督 豊田利晃

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なぜか、脱走囚9人それぞれのエピソードが、単発で、未消化のままに終わる。

罪を犯した彼らの言い分は解りにくく、観客の胸に深く突き刺さってこない。

一方で、余りにもシュールな場面が多用され、少なからず戸惑いを覚えた。

たぶん、この映画で面白さを喚起するものは、脱走囚本人たちの事情などで

はなく、彼らに翻弄される、あるいは翻弄された人々の事情や狼狽ぶりの方で

はないか。

それを描いてこそ、9人の魂の有り様が鮮明に浮かび上がるのではないか。

しかし、それはインサートカットのように短すぎた。

添え物扱いで終わった印象だ。

「空中庭園」を監督した豊田にしては、惜しむべき作品というべきだろう。

DVD どん底 ☆☆☆☆

■ どん底 1957年製作 137分

■ 監督 黒澤明

■ 出演 山田五十鈴 左卜全

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私が観た映画で、女優山田五十鈴の代表作といえば、

「蜘蛛巣城」での鷲津武時の妻浅茅、

「用心棒」での清兵衛の女房おりん、と思っていた。

しかし、キネマ旬報の記事で落語家志らくが、

「どん底」での大家六兵衛女房のお杉を挙げていた。

そこで、DVDを借りて観ると、成る程と思わせられた。

色と欲と嫉妬を持った女を演じさせたら、この人の右に出る女優はいまい。

享年95歳。

 

ナミアゲハ 

日髙敏隆の名著「チョウはなぜ飛ぶか」に、海野和男の撮った写真を加えた新版

(フォトブック版)が発行されてから、およそ1年がたちました。

                     *

初版発行以来、幾度か読み返していますが、チョウの通る道の謎を実地観察によって

解明しようとする筆者の探求心、好奇心にいつも深い感銘を覚えます。

不思議なことに、読み返すのは、なぜか、いつも夏。

この本は、私の夏の読書に好適の一冊なのかも知れません。

今年の夏は、美しい写真版で読み返したせいで、チョウの姿にも魅了され、

同書掲載のチョウ(ナミアゲハ)を、消しゴムで彫ってみました。

                     *

  (157頁の写真を参照)          (同じく、23頁を参照)

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     ( 48×43 ミリ )            ( 35×68 ミリ )  

DVD 原子力戦争 Lost Love  ☆☆★

■ 原子力戦争 1978年製作 106分

■ 監督 黒木和雄

■ 原作 田原総一朗

 Photo 

今から30余年前に、福島第1原子力発電所の事故を扱った点においては

特筆されてよい映画だが、内容・方法が中途半端である。

思わせぶりなサスペンス風ドラマでもあり、原発事故告発の社会派ドラマでもあり、

撮影禁止地域にカメラを持ち込もうとするドキュメントでもあり、女を愛する男の話で

もあったりして、視点は最後まで定まらない映画だった。

原作者の田原が監督であったなら、ずいぶんと違う映画になっていたかも知れない。 

DVD クイック!! ☆☆☆★ 

■ QUICK 2011年製作 韓国 115分

■ 監督  チョ・ボムグ

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韓国のB級アクションは侮れない。

壊す車両の数も、危険なスタントも、今の日本映画には真似ができないのではないか。

爆弾魔に振り回される二人乗りのバイク便と、警官隊とのドタバタ追走劇。

これがすこぶる面白い。

シンプルなストーリーが、映画の疾走感を加速させ、

俳優たちの大げさな演技は、それに拍車をかける。

ラストシーンの馬鹿馬鹿しさぶりも徹底していて、清々しさを覚えるほどである。

おまけの特典メイキングもおすすめ。

体を張ってまで、映画にエネルギーを注ぎ込んでいる若き製作集団。その根性。

映画館で再上映されることがあるのなら、ぜひ足を運びたいものだ。

正直、猛暑をしばし忘れさせてくれるDVDでありました。

趣味のはんこ

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      フラメンコダンスが趣味のHIROMIさん