映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ ☆☆☆

■ 2017年 108分 (シネマスコーレ)
■ 監督 石井裕也
■ 原作 最果タヒ
■ 脚本 石井裕也
■ 撮影 鎌苅洋一
■ 音楽 渡邊崇

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みよしいいじゃん大学 寄席伝統演芸 Vol.3

 2018年2月18日 みよし市文化センター
   落語独演会 桂宮治


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Vol.2の神田松之丞の
(2018.1.21 ■芝居の喧嘩■谷風の情け相撲
 ■稲葉小僧)に続くVol.3である。

 


入場料(前売り)800円。
格別に安い席料と、TV番組(ミッドナイト寄席)
でたまさか観た桂宮治のハチャメチャな可笑しさ
を直に味わいたい気分とで、三好の会場に行った。
  

まずマクラ話が笑える。
名古屋駅から三好までの電車に乗り合わせた子
供にアンパンマンと思い込まれた宮治の困惑。


続いて、昨日の羽生結弦の金メダル生中継と、
自分の高座の時間が完全に被り、8割のお客が
その場を立ち去ったトホホの不幸話。

師匠歌丸が鼻に通す酸素チューブのバルブ操作
を絞めたり開けたりして遊ぶ宮治。嘘とも真と
もつかぬ抱腹絶倒の残酷エピソード。
テレビやラジオではとても話せないギャグの
連発。芸能は生に限る!である。


本日の古典落語 三席
■ つる
 隠居の受け売りをドジる八五郎の表情。
 爆弾を巻いたテロリストを登場させる妙。
 大笑い。
■ 片棒
 ケチ兵衛と息子三人のナンセンス噺。
 現在進行中のオリンピックにちなんで、
 長男金太郎、次男銀次郎、三男銅三と
 し、身振り手振り口振りのギャグ。
 大大笑い

       (休憩)

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■ 子別れ
 前の二席に比べて笑いは控え目の人情噺。
 
桂宮治の笑いは、顔の表情にある。

馬鹿な男たちが勘違いし始める表情、勘違
いに気付いたときの狼狽ぶり、取り繕いの
さま、そして勝手にしゃがれとばかりに自
暴自棄への唐突な変貌などなどの表情。

見ていて気持ちがよい落語家が桂宮治である。
地元の人たちと大笑いした。大満足だった。


みよしいいじゃん大学 寄席芸能演芸 
1月の神田松之丞
2月の桂宮治
椅子を並べたレセプションホールという
会場こそ大きくないが、観客が大きな満
足のあるローカル色満載の寄席でした。

 





みよし市 ひなめぐり

2018年2月18日 愛知県みよし市

■ 歴史民俗資料館

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江戸時代からのひな飾りを展示。
時代物の展示品は保管のために
撮影禁止の表示あり。

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押絵びな(明治35年)撮影可
厚紙に布を貼り付けた人形を掛け軸
にして飾る珍しいものだ。

■ 石川家住宅

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この屋敷内にまゆ人形工房がある。
布切れで作ったひな人形が飾られている。
ひな人形よりもつるし飾りの方が多かった。

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■ 三好稲荷満福寺

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資料館のすぐ近くにある神社&寺院で
大きな提灯と参道鳥居が特徴だ

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夏の夜祭りには、長さ11メートルの大
提灯が飾られるという。

旅成金 in 名古屋

018年2月11日 落語と講談  大須演芸場

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二ッ目芸人」の神田松之丞、瀧川鯉八、柳亭
小痴楽の個性豊かな3人の大須公演だ。
第一・ニ部通して前売りを購入。大人気の3人
なのでやはり満員御礼。客席を大いに笑わせた。


第一部(午前の部)
 ■ 鼓ケ滝 松之丞
 ■ 多数決 鯉八
 ■ 付き馬 小痴楽
  (お仲入り)
 ■ 科学の子 鯉八
 ■ 稲葉小僧 松之丞

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第二部(午後の部)
 ■ 欠伸指南 小痴楽 
 ■ 中村仲蔵 松之丞
 (お仲入り)
 ■ 俺ほめ 鯉八
 ■ 暴れ牛奇譚 鯉八
 ■ 明烏 小痴楽

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映画 早春 ☆☆☆☆

■ 1970年 イギリス/西ドイツ 92分
         
(名古屋シネマテーク)
■ 監督 イエジー・スコリモフスキ
■ 脚本 イエジー・スコリモフスキ
       J・クルーザ
       B・スリク
■ 撮影 チャーリー・シュタインバーガー
■ 音楽 キャット・スティーヴンス
■ 出演 ジョン・モルダー=ブラウン
  
    ジェーン・アッシャー 

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マイクはロンドンに住む15才
性に目覚める少年。

スーザン23才
同じ公衆浴場で働く娘。
婚約者もいる。

さて、マイクの想いは通じるのか?
ふたりは結ばれるか?

色彩を生かした映像と
主役ふたりの美しい裸体が
この映画を瑞々しくも残酷な作品に
している。

映画の結末をだれが予測できただろう。
青春の美しくもディープなエンドを。

青春映画の傑作!




映画 スリー・ビルボード ☆☆☆☆

■  THREE BILLBOADS OUTSIDE EBBING, MISSOURI
   
2017年 イギリス/アメリカ 116分

          (ミッドランドシネマ名古屋空港)
■ 監督 マーティン・マクドナー
■ 脚本 マーティン・マクドナー
■ 撮影 ベン・デイヴィス
■ 音楽 カーター・バーウェル
■ 出演 フランシス・マクドーマンド


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公開第1週目の土曜日にしては、私
の入った上記映画館の観客は多くな
かった。

物語は幸福な内容のものではないし
人気スターの出演もないし
テレビで予告スポット映像も流されない。
地味な映画だと多くの人は思っている。
いやその映画の上映すらも知らない。

しかし、「スリー・ビルボード」は一
見の価値を十分に備えたなかなか興味
深い優れた映画なのだ。

主人公ミルドレッドの人物像がいい。
(世間に阿らず他人を傷付けてでも自
己を貫き、自ら危険に身を投じること
など当たり前のとても嫌な女。
それでいて強くも弱くもあり、思い切
りもあり未練もあり、カッカする感情
屋で冷徹な行動者)

マクドーマンドの演技がとてもいい。
(人を疑い侮蔑するような目付きや
なんだよォとも言いたげな首の傾げ
方、皮肉たっぷりな口元の表情など
で全身で嫌味な侮れない人物を巧み
に表現)

脇役の人物、その役者たちがいい。
(主人公の息子・別れた夫・低身長
の男・暴力警官・その母親など)


脚本がいい。
(事件の探求・登場人像の実在感・
米中部の町の雰囲気・映画としての
ラストシーンの在り方など)


2時間を全く退屈しないスリリングな
映画だった。



NHK BS この首一万石 ☆☆☆

■ 1963年 東映 93分
■ 監督 伊藤大輔
■ 脚本 伊藤大輔
■ 撮影 吉田貞次
■ 美術 桂長四郎
■ 音楽 伊福部昭
■ 出演 大川橋蔵 大坂志郎 堺駿二
              江利チエミ 水原弘

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権三が槍で大暴れをするシークエンスは
本作の圧巻である。

時代劇では槍を使った殺陣は特段珍しい
というわけでもない。
しかし、L字形の刃先を持つ片鎌槍での
剣劇はこの映画で初めて見た。

これを振り回せば、大立ち回りどころで
はない。刃傷の場は忽ち血みどろの修羅
場と化す。

吉田貞次のカラー撮影がその凄惨な様を
真っ赤な血と、斬られた男たちの断末の
形相とで執拗に描く。

権三を殺そうと襲い掛かった侍は、横に
払った片鎌槍で脛を切断されて蹲り、

別の侍は、口腔を真一文字に裂かれた
途端に、斬られたことが信じられない
というように目を剥いて卒倒し、

また他の侍は、斬撃のはずみで藍壺へ
頭を突っ込み、そこから抜け出た瞬間
槍に首を斬られて、濃藍色でどろどろ
の喉元をパッと朱に染める。

その他、槍で戸板ごと貫かれる者や、
仲間の侍の刀で誤って顔を斬られて
絶叫をあげながら絶命する者などが
続出する。

身震いするほどの残酷美の映像の連続。
それに被る恐ろしげな伊福部昭の音楽。


あの忠治旅日記を創った監督伊藤大輔
65歳の(たぶん隠れた)傑作である。


WOWOW 北陸代理戦争 ☆☆☆

■ 1977年 東映 98分
■ 監督 深作欣二
■ 脚本 高田宏治
■ 撮影 中島徹
■ 音楽 津島利章
■ 出演 松方弘樹 西村晃 ハナ肇 
         千葉真一 野川由美子 地井武男
      伊吹吾郎 矢吹二朗 遠藤太津朗
      成田三樹夫 牧冬吉 曽根将之
      片桐竜次 小林稔侍 中谷一郎
      天津敏 織本順吉 中原早苗
      高橋洋子


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最後まで歯切れのよいテンポで展
開する本作は、凄さの点でも「沖
縄やくざ戦争」を上回る。

役者をイノチガケにさせる演出は
深作欣二ならではのものだろう。

例えば、安本富蔵役の西村晃など
は、日本海からの寒風が吹き荒ぶ
雪積る原っぱに全身を埋められて
頭だけを突き出している。
命乞いの声を張り上げるが、松方
らの一派は、嘲り笑いながら首す
れすれにジープを走らせる。

役者をこんな過酷な状態に置き、
危険この上ない撮影を行うこと
ができるのは、東映実録作品だ
けだろう。

全くの推測だけれど(あのベテラン
の西村さんさえ演っているのだから
オレたちもやらんわけにはいかん)
と、他の俳優陣も思ったのではなか
ろうか。
役者たちの腹をくくった捨て鉢的な
演技が、恐ろしいほどのリアリティ
をこの映画に与えている。


映画に身体を張る!
この作品は、「仁義なき戦い」を
経た後にもなお深作組のクルーが
映画屋根性の凄さを発揮した傑作
である。


WOWOW 沖縄やくざ戦争 ☆☆☆

■ 1976年 東映 96分
■ 監督 中島貞夫
■ 脚本 高田宏治
      神波史男
■ 撮影 赤塚滋
■ 音楽 広瀬健次郎
■ 出演 松方弘樹 千葉真一  渡瀬恒彦
   梅宮辰夫 室田日出男 矢吹二朗 
      尾藤イサオ  南道郎 志賀勝 片桐竜次
   曽根将之  成田三樹夫 織本順吉
   地井武男  新藤恵美 中島葵  

     


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当時の沖縄で起きたやくざ抗争を
基にした、東映得意の実録映画だ。

縄張り、面子、離合集散、銃火器を
重要なファクターとして、東映の俳
優陣がまさに身体を張って演技する。

特に、国頭正鋼を演じた千葉真一。
嘉手刈宏役の渡瀬恒彦。
この二人の肉体の躍動はほんとうに
素晴らしい。

やくざの下っ端役の俳優たちが、無茶
なアクションシーンを、やけくそ感いっ
ぱいに(しかもたぶん喜々として)演じ
ているさまもとてもいい。


映画 ジュピターズ・ムーン ☆☆

■ JUPITER HOLDJA 2017年 128分
   ハンガリー/ドイツ (センチュリーシネマ)
■ 監督 コルネル・ムンドルッツォ
■ 脚本 カタ・ヴェーベル
■ 撮影 マルツェル・レーヴ
■ 音楽 ジェド・カーゼル
■ 出演 メラーブ・ニニッゼ
       ギェルギ・ツセルハルミ
       ジョンボル・イェゲル
       モーニカ・バルシャイ

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撮影が素晴らしい。
それこそが、この映画の全てである。

とりわけ、冒頭のハンガリー沼地での
シリア難民の逃走シーンは驚異的だ。
そのシーンを観るだけでも価値がある。

ただし、脚本は、医療ミス・国境問題・
安楽死・テロリズム・難民排除など喫緊
の問題を盛り込んでいるが、話のつなが
りが場当たり的で散漫な感がある。

味のある俳優たちが出演し、見事な撮影
センスと技術が光る作品だけに、90分
くらいの長さで、異色の天使の出現を鋭
く描いてほしかった。